《MUMEI》 「零君は変わった子でね? お坊ちゃまなのに、何か──あんまり贅沢とかには興味ないみたいで──、どっちかって言うと、庶民派な感じだったの」 「そうなんですか──」 でもこの別荘── もんの凄く広いけど──‥。 「この別荘を立てたのはね、私達は勿論──親戚を呼んだりしても大丈夫なようにって設計されたのよ」 「ぇ──」 だからこんなに広いんだ──。 「って言っても、あんまり親戚とかは来ないのよね」 苦笑しながら、 香さんが言った。 「でも、苺ちゃんと日下部君は毎年来てるわ──。森とか湖とか、こういう所好きみたいね」 前へ |次へ |
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