《MUMEI》
到着・・まさか・・
「ふむ・・狩ノ月、そろそろ空間跳躍を起動させるが・・良いか?」
確認を取るように狩月を見るハンディング。
「え・・あ、うん。みんなも良いよね?」
「あぁ」
「OK〜」
「いつでもOKだよ!むしろ早く彩詩様に会いたい〜〜〜」
それぞれの返事を聞くと、
「お願い、ハンド。」
とハンディングの方へと向き直る。
瞬間、足元に複雑な魔法陣が展開したと思う間もなく、守護騎士団詰め所の敷地内へと移動する。
「結界・・素通り?」
驚いたように想花が呟く。
「こっちだ、ついて来い。」
式夜は声をかけると、スタスタと歩き始める。それに続きながら、
「持ち物検査とかしなくていいのか?」
琴が式夜に質問をする。
「主人から許可が出ている。」
振り返りもせずに返答し、さらに奥へと進む。

〔第2修練場〕
昨夜の修練場とは違い、長方形の形をした大きな建物が見えてくる。
「あ、おはよ〜狩月、ハンド、式夜お迎えご苦労様。」
修練場の前で、ごまと話をしていた彩詩が狩月たちに気がつき、声をかける。
「おはようございます。今日もよろ・・」  「きゃ〜〜〜〜」
狩月の声を想花の声が遮る。
「あの、あの!私、想花って言います。彩詩様、今日はその・・あの・・」
狩月を押しのけ、彩詩の前に出ると、強引に握手しブンブンと振り回す。
「式夜、ストップ。」
想花に手をブンブンと振り回されながら式夜に声をかける。
「・・・・・」
無言で刀に添えていた手を下げる。
「想花・・・彩詩さんが困ってるって。」
暴走している想花の首をつかんで後ろへと引っ張り彩詩から離す狩月。
「あ〜〜〜」
と不満げな声を上げながらずるずると引きずられて行く想花。
「よろしくね想花。で、そっちのお二人さんは?」
と彩詩は琴とボンカーの方へと視線を向けようとするが・・

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