《MUMEI》 逆恨み夏実は、沙知の姿を見て蒼白になった。 全裸ではないか。バスタオルは掛けてあるが、手足を拘束されて虫の息。夏実は震えた。 「まさか…」 「安心しろ夏実。犯してはいない」 夏実は竹内の顔を見た。 「おまえの仲間の警察官が外にいる」 「え?」 「撤退させろ。10分やる。撤退しなかったら、沙知を犯す」 「やめて。それだけはやめてください。お願いします」 「おまえ次第だ夏実。行け」 夏実は沙知を見ると、急いで駆けていった。 竹内は素早くデスクに向かう。夏実のジーパンにも盗聴器を付けてある。 夏実は外に飛び出すと、皆に叫んだ。 「撤退してください。でないと泉先輩がやられちゃう」 「やられるゆうのは、漢字でどっちや。犯か殺か?」 「はっ?」 「犯か」 法子は鍋咲に言った。 「鍋さん退場」 「夏実。相手は何人だ?」有島が聞く。 「えっと。5人です。でも、みんな強そう」 「そうそう。みんな力士かプロレスラーのような巨漢でしたよ」 「法子とどっちが太い?」 「そうねえ、身長では負けてるけど体重はいい勝負ってこらっ!」 竜が嘲笑した。 「緊張感のない奴らですねえ。沙知チャンはあまり重視されていないのかな?」 沙知はじっとしていた。竹内が顔を曇らせる。 「盗聴器に気づいて、わざとこういう話をしているんだ」 「まさか」 「二度も同じ手は食わんか」 竹内は立ち上がると、沙知の顔を覗く。 「沙知。さっきは手荒なマネして悪かったな」 「いえ」 「おまえはどう思う?」 「え?」沙知は焦った。 「盗聴器に気づいていると思うか?」 竹内は笑顔だが目が怖い。沙知は迷ったが、夏実が解放された今、人質は自分だけだ。 「おまえの意見を聞かせてくれ」 人質最優先が警察の基本姿勢。これは自分が人質でも同じだと思った。 「たぶん、盗聴器には気づいていると思います」 皆驚いた。竹内は穏やかに笑う。 「そうか。おまえもそう思うか?」 「はい」 「いずれにせよ、撤退する気はないようだ。行くぞ」 皆が臨戦態勢に入った。 「小林は沙知を見張ってろ」 「はい」 「え?」 しめた、という小林の顔に、沙知は身じろぎした。 「竹内さん」 「ん?」 竹内は小林と沙知を交互に見た。 「そうか。小林は警察官に恨みがあったんだな」 「別に」 竹内は沙知に聞かせた。 「前にこいつは、職務質問され、勝手に不審者扱いされて交番に連れて行かれた。そのとき女の警察官におぼーさんとか言われて頭をポンポンはたかれたんだ」 「警察っていうのは何でもアリだ」 小林が睨む。沙知は身構えた。 「沙知。やったほうはすぐ忘れるが、やられたほうはずっと覚えているぞ」 沙知は落ち着かないそぶりで、警戒した。 「でも小林。それで彼女に逆恨みするのは違う気がするぞ」 「別に逆恨みなどしていません」 「そうか。まあいい。見張りは竜に変われ」 小林は慌てた。 「竹内さん。私に見張りをやらせてください」 「ダメだ」 小林は仕方なく竹内たちと行った。 助かった…と言いたいところだが、よりによって代わりが竜とは。 ヘタしたら、もっと危ないかもしれない。 竜がじっとこちらを見ている。沙知は目をそらせた。 しばらくして見ると、やはり竜は沙知を見ている。怖過ぎる。 「何ですか?」 「何ですかだあ?」 竜は笑顔で近づくと、いきなりバスタオルを剥いだ。 「いやあ!」 裸の沙知を目で犯す。彼女は唇を噛み締めて恥辱に耐えた。 「いい体してるじゃねえか。いじめちゃおう」 竜はバッグから悶絶マシーンを出した。沙知はもがいた。 「やめてください、やめてください!」 必死の哀願も虚しく、下半身にはめられてしまった。生きた心地がしない。 「やめてください、お願いですから」 「スイッチオン!」 「あっ…」 マシーンにクリトリスを素早く発見された。1分間に100回弾きまくる。 「やめて!」 前へ |次へ |
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