《MUMEI》

──11歳の、

冬の日だった。





あたしは、

親とケンカして家出した。





行くあてもなくて、

団地の中をさ迷ってた。




寒くて、

寒くて‥

本当に、

凍えてしまいそうだった。





『‥‥‥‥‥‥‥』





独りぼっちは、

恐かった。





誰もいない公園の、

古びた滑り台の階段の下に蹲って‥

あたしは雪が止むのを待ってた。





‥だんだん、

暗くなってきて‥

風は、

どんどん冷たくなって‥。





どうなるんだろう、

って‥

凄く不安で仕方なかった。

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