《MUMEI》

『‥っ』





涙が出てきて‥

それだけが物凄く熱かった。





すっかり暗くなった頃には、

もう‥

寒いのか熱いのかも分かんなくて‥

涙すら、

涸れ始めてた。





『日向‥‥‥ひなたぁ‥』





何でか、

あたしは日向の名前を呼んでた。





何回も、

何回も。





日向に、

来て欲しかった。





日向に、

暖めて欲しかった。





『──ナカ』

『ぇ』





日向は、

あたしを捜しに来てくれた。





雪まみれになって。

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