《MUMEI》

『ナカ──見つかって良かった』

『‥何で居場所分かったの‥?』

『ナカ、よく俺とここに来てたから』





日向はちょっとだけ笑って、

あたしに自分のコートをかけてくれた。





それから、

あたしの手を握って──

暖めてくれた。





『こんなに冷たくなるまで独りでいさせて‥ごめんな』





日向は何も悪くないのに、

謝ってきた。





悪いのは、

あたしなのに。





あたしは勝手に家を飛び出して、

日向に心配かけて。





それなのに日向は、

あたしを怒ったりしなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫