《MUMEI》

日向は、

ほんとにあたしといてくれた。





2人で肩を寄せ合って、

降ってくる雪を眺めてた。





『綺麗だな、雪──』

『うん、綺麗』





あの夜の雪は、

ほんとに綺麗だった。





キラキラしてて、

眩しくて。





夢を見てるみたいだった。





『ひなた、これ‥夢?』

『夢じゃないよ』

『──でも夢みたい』





だって──

ほんとに、

それは夢みたいな景色だったから。

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