《MUMEI》

『小さい頃から、ほんとに人見知りが凄くて──小学校に入ってからも、友達とかはいなくて。でも独りでいた方が落ち着いたから──屋上でよく過ごしてたの』

『‥寂しく‥なかったの‥?』

『うーん‥、その頃は感じなかったから──』

『───────』

『でも──今になってみると、ちょっと那加ちゃんが羨ましいな』

『ぇ』

『榛野日向っていう素敵な幼馴染がいるんだもの』

『‥うん──』





ほんとにそう思う。





それにしても‥

不思議だった。






寂しくないなんて、

ほんとなのかな、

って思った。





‥でもよく考えてみたら‥

あたしも同じだったって事に気付いた。

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