《MUMEI》

「美味しかった〜!」
「聖ちゃん牛乳飲みすぎだって…」

聖ちゃんのホッソリしたウエスト、牛乳だけで三センチは増えていそうだ。

身長伸ばしたいが為だとしたって牛乳ばかりがぶがぶおかわりしていた聖ちゃん。


腹壊さなきゃイイけど……。


朝はバイキングだって分かってたから、身構えないで朝食を取れた。


なんだかんだ言って乗り気ってしまった…。

まあ此処まできたらもう、いいか……。






荷物をまとめ終え俺達はフロントに向かう。

「俺会計しちゃうからさ、聖ちゃん外の犬と遊んでなよ」

「わかった!、…
お世話になりました」

聖ちゃんはフロントにいるおじさんにペコリと頭を下げた。

「またよろしくお願いします」

おじさんは、聖ちゃんに、子供に話かける様な優しい口調でそう言った。



聖ちゃんは外にいる雑種犬に向かってダッシュした。






聖ちゃんが犬小屋の前でしゃがみ込むのを遠目で確認して、俺は財布をだした。


「チエックアウトお願いします」

俺がそう言うとおじさんは束になった伝票をバサリとカウンターに置き、俺の伝票を捜しだした。
と同時におばさんもパタパタとフロントにやって来た。

「えっと…、大人一名、小学生一名で二万三千円です」

「小学生えッッッ?」

「なっ!」
聖ちゃんがなぜか玄関に立っている!


するとおばさんは聖ちゃんをの前に行き、
「ごめんね?ぼく、わざわざ戻ってきてもらっちゃって!

はいっ!クリスマスプレゼントっ!」


おばさんは聖ちゃんに……


かなりニコニコしながら……








宙にふよふよ浮く、風船を渡した。

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