《MUMEI》 床が、迫ってくる。 力が入らずテーブルの縁に指が掛かって辛うじて止まった。 ……吐いてしまった。 美味しかった食事全てが胃液に溶けて口から溢れ出す。 恥ずかしい。 俺は弱い…… 「二郎、全部出しな。」 乙矢がスープの入っていた器を口元に運んでくれる。 背中を摩ってくれると、気持ち悪いモヤが少し晴れてゆくようだ。 嗚呼、瞳子さんのお父さんが片眉を上げている。 神戸は露骨に嫌な顔をして、七生が耳元で喚いて五月蝿い。 瞳子さんが電話をしている、乙矢が瞳子さんに指示をしてくれている。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |