《MUMEI》
あ〜・・やっぱり
「ボンカー・ロシュレートと申します、彩詩様。以後お見知りおきを。」
ボンカーは彩詩の手を取り膝をつくと、彩詩の手の甲にキスをしようとする・・
ドカン!!
と凄まじい音と共に吹き飛ばされていくボンカー。式夜がボンカーを蹴り飛ばした足を下ろしながら
「・・・・・殺す・・」
無表情に宣言する。瞬動を使用しボンカーに接近、刀を抜き放ち倒れているボンカー目掛けて振り下ろす。
キィィン
金属音が響き、ごまが慌てたような顔をしながら式夜をなだめている。
「式夜、いくら峰打ちでも大怪我するって。」  
「この者は再起不能にするべきだと判断します。」
「彩〜〜式夜を止めて〜ごまじゃ止められないキュ〜」
説得を諦め、彩詩に振るごま。やれやれ・・と苦笑する彩詩。
「式夜〜ストップ。お客さんなんだから。ボンカーだっけ、生きてる?」
キッとボンカーを睨むと刀を鞘に戻すが、手は刀の柄をしっかりと握っている。
「なんとか生きてます〜」
蹴り飛ばされた頭を押さえながら、のんびりと立ち上がる。
「あんまり式夜をからかわないでよ、私やハンドの事になるとすぐ熱くなるんだからさ。」
あはは〜と小さく笑いながら説明する彩詩。
「了解です。でも式夜ちゃん、そんなにムキになるって事はひょっとして・・うぎゃ!」
盛大に地面に叩きつけられるボンカー。上から押し潰されているように見える。
「・・・・・・・」
無言でボンカーの方向へと手を翳しているハンディング。自分に視線が集中していることに気がついたのか、
「なにやら良からぬ事を口走りそうであったので我が黙らせたが・・何か問題でもあるのか?」
地面にへばりついているボンカーから眼を離し全員を見回す。
「・・・・問題無いと思う。」
と苦笑しながら彩詩。
「腕の一本くらいはいいんじゃねぇか?」
と琴。
「殺しても問題無いと思います。」
未だに刀から手を離していない式夜が無表情に言い放つ。
「きゅ〜仕方が無い気がするよ〜〜」
とごま。
「はぁ・・・」
大きく息を吐く狩月。
「ごめんボンカー!私にはフォローできない。」
と笑いながら想花。
全員が同じような答えにボンカーが地面に押し付けられながら
「むぐ!!!むがぁ〜〜〜」
と唸っているが、何を言いたいのかはさっぱり。
「・・・・とりあえず、訓練始めない?」
ボンカーの事は置いといて、といった感じで彩詩が声をかける。

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