《MUMEI》

シロツメクサの香り、草の青臭さは生きている証拠である。
枕に散る、枯れた冠の破片達が醒まさせる。
ぼくの今日の朝は昨日より外を匂わせていた。

先生はぼくの横で、寝息をたてていらっしゃる。

昨日、日記を怠った。



敬愛する先生、
先生はぼくを罵らない。

鎌で首を掻っ斬らない。

ぼくを責めない。

峯さんはぼくを拒まない。

ぼくは狂っている。
『肉慾の権化』だと謂う。

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