《MUMEI》 ゴーグルの謎俺達三人と、守と吉野を合わせた五人はリンクから出た。 既に心身共に疲れ果てていた柊がさすがに可哀想になり、俺達三人は、午前中でスケートをやめ、靴を返す事になった。 守と吉野は午後も滑るようだが、丁度昼時だったから、靴を脱いでスケート場内にあるレストランに向かうらしい。 俺達はデートの邪魔をしてはいけないと思ったが、二人が誘ってくれるから、一緒にレストランに向かう事になった。 「ところで、何でそんなのしてたんだ?」 席に着くと、俺は一番気になった 守と吉野のゴーグルを指差した。 「屋外リンクに最初いたから」 このスケート場には、確かに俺達三人が滑っていた屋内リンクの他に、屋外リンクがあった。 しかし 「でも、それスキー用ゴーグルじゃない」 「だね」 志貴と柊が反論した。 「…サングラス、似合わないんです」 「俺もね。だから、お揃いでゴーグル買ったんだ。 俺と撫子さ〜、スキーは壊滅的にダメでさ。 だけど、スキーのゴーグルはかっこいいから、つけてみたくて」 (柊の逆か…) 守の説明を聞きながら、俺と志貴は無意識に柊を見ていた。 前へ |次へ |
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