《MUMEI》 拓磨と真司の場合それから、運ばれてきたカレーを五人で食べながら、いろいろな話を 主に守が語ってくれた。 守はフィギュアスケートもテレビの真似で簡単なステップができるが、見た目が気持ち悪いらしい事 吉野のフィギュアスケートレベルは守と同じ位だが、ナンパばかりされるし、野次馬が集まるからやめている事 志貴は『絶対守の独占欲も入ってるわよ』と小声で俺と柊に囁いた。 それから 拓磨は柊と同じスケートダメ・スキー上級の腕前で 真司はどれも無難にこなすが、やはりサッカー一筋なのでどれも滅多に行かないらしい事 それを聞いた柊が拓磨を『仲間だ』と少し嬉しそうに呟き 志貴は、『じゃあ来年は拓磨をスケートに誘ってあげなくちゃ』と全員に宣言した。 俺はいつもの事だと苦笑したが 他の三人は、青ざめていた。 理由は 来年の冬、俺達は受験生で『滑る・転ぶ』は禁句らしいからだった。 それから、俺以外の三人は『せめてスキー』『スケートなら二年の冬休み中』と、真剣に志貴を説得していた。 中でも、一番気持ちがわかる柊は必死になっていた。 前へ |次へ |
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