《MUMEI》

宮上は──

僕と違って

明るい奴だ。

いつも

大抵笑っているし──

性格もいい。

そんな彼が

何故

珠季を好きになったんだろう──。

まぁ‥

僕が言える立場じゃないか‥。

‥とにかく‥

宮上は珠季を好きで‥

告白もしたらしい。

けれど珠季は──

彼を選ばなかった。

宮上の方が

僕より断然器量良しだし‥

気だって合うはずなのに。

珠季は──

僕を選んでくれた。

こんな

不器用な僕を──。

「なぁ‥」

「ぇ、何だい‥?」

「アイツ‥どうしてんだろな」

「ん‥、ぁぁ‥」

そういえば‥

最近会っていないな‥。

クラスも違うし‥

会う機会もあまり無い。

「‥‥‥‥‥‥‥」

1つ‥

ずっと気になっている事がある。

彼はまだ‥

珠季を好きなんだろうか‥。

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