《MUMEI》
「もしかしてお前が持ってきたのって全部こんなイミフなゲームかっ!?」
タカが持ってきた段ボールをあさる。(宝箱と書いてある)
………
……
…
「……(くらっ)」
目眩が…
「こんなもんゴミ箱じゃっ!」
窓から放り投げた。
「あぁ、僕の青春が…」
名残惜しそうに窓の下をみるタカ。あんなんに貴重な青春を費やすとは…
「ったく、ま〜た暇になっちまったな〜。外には出られんし、なんか面白いことないのか〜?」
ソファに身を沈めて、タカに尋ねる。
「さっきケンがそう言ったからゲームを持ってきたんだよ?、投げられたけど…」
恨めしそうに言うタカ。
「あんなマニアなゲームはやらんわい。それにな、さっきからつっこむの我慢してたけど…」
今まで締め切っていた北側の窓のカーテンを全開にして叫ぶ。
「ああいうのは現実の世界で間に合ってるんだよ!」
窓から見える住宅街には、少し賞味期限が過ぎたホモサピエンス達が闊歩しています。いわゆるゾンビさんですね。
季節は初夏、オレたちが住む風山町(かざまちょう)はちょっとゾンビちっくな感じになっちまってます。
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