《MUMEI》 ──言えたらいいのにな。 正直に── 言えたらいいのに。 「──那加、ほらっ」 「‥ぇ‥‥‥」 戻って来た日向の手には、 桜の花びら。 「降ってきたから持って来た」 「──可愛い‥」 ちっちゃなハート型。 「どうだ?」 「──うん、嬉しい」 そう言ったら、 日向はニコッとした。 「良かった」 ほんとに、 あたしが喜んでるのが嬉しいみたい。 「今度は一緒に見れるといいよな」 「‥‥‥うん」 ほんとは今だって、 そうしたいんだけど。 でもあたしは‥ まだこの部屋の外には出られない。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |