《MUMEI》

「那加に、あんまりしてやれてないな、って‥」

「何を?」

「何でもしてやる、って言いながら──いつも側にいてやれる訳じゃないし‥」

「だって日向は学校あるじゃない」

「ほんとはな‥?」

「何?」

「ほんとは──‥それを放り出してでも那加の側にいてやりたいって思う」

「──あたしが学校行けるようになればいいんでしょ?」

「ぇ」

「あたしが病気治して、前みたいに学校行けるようになれば──」

「那加は焦る事ないから」

「焦ってないもん。‥でも、あたしだって──」

「分かってる」

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