《MUMEI》

「──ぇ」

「分かってる。那加が学校行きたいのも、外に行きたいのも、買い物したり──ケーキ食べたりしたいのも」

「──ひなた──」

「‥?」

「治るよね‥?」

「ぇ」

「あたしの病気──治るよね‥?」





何か、

不安になった。





もしこのまま、

ずっとこの部屋から出られなかったら。





ずっと、

あんな離乳食みたいなご飯しか、

食べられなかったら。





「あたし‥ここから出られるよね‥‥‥、?」





いきなり、

日向の手が、

頭に乗ってきた。





「当たり前だろ?」

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