《MUMEI》

──学校の帰り道、

あたしと日向は、

いつもと同じように──

2人で並んで歩いてた。





そしたら。





『──!?』





おっきな白い犬が、

どこかの家から逃げ出したみたいで。





何でか、

あたし達に近付いて来た。





日向は何歩か後退りしてから、

その場にへたりこんだ。





『‥ぅ‥‥ぅゎっナカちゃ‥』

『こらっ、あっち行ってよひな君恐がってるでしょっ』





あたしが怒鳴ったら、

そいつは大人しく帰って行った。





『ひな君、いなくなったよ。‥ひな君?』

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