《MUMEI》

「‥ぅぅ‥」





き‥

切れないッ‥。





何で‥?





この包丁‥

切れ悪くない‥?





「‥オイ、スイカ切んのにどんだけかかってんだよ」

「ふぁッ‥スイマセン‥」





でも‥

全然切れないんデス‥。





「‥貸せ」

「ぇ」





鳳君──

切れるんですか‥?





「‥‥‥‥‥‥‥」





鳳君は、

切れないって分かったみたいで──

今度は、

バットを持って来た。





「ぇ、あの‥‥‥」





まさか‥

スイカ割りするんじゃ‥。






「って‥!?」





本気ですかッ!?

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