《MUMEI》

「無事か藍伊っ!? コイツに何か野蛮な事──、ぐほぁッ」

「する訳ねーだろ」

「は‥腹に肘打ちは止めろって‥」

「お前が変な事言うからだろ? ただ藤澤が帰り道大丈夫か心配しただけだってのに──」

「何っ!? さては流お前っ‥そんな理由に託つけて藍伊と一緒に帰ろうとか企んで──」

「ねーから」

「嘘つくな? 分かってんだからな?」

「だーかーらー‥違うっての」





──ほんとに俺は、

ただ藤澤の心配しただけだ。





それ意外の事なんて、

ましてや一緒に帰ろうなんて事は、

これっぽっちも考えてない。





これっぽっちも‥。





「あの──」

「‥ぇ」

「ありがとう‥ございました──」

「藤‥澤‥?」

「また明日──来ますね。それじゃ‥また」

「おう──また明日な」

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