《MUMEI》

「‥シズル」

「ん、もう着替えたのかい‥?」

「何だよその反応‥」

「───────」

「おい」

「‥ぇ」

「ガン見すんな」

「ぃゃ‥済まない、あんまり似合っているものだから、つい──」

「なッ‥」

「可愛いよ」

「!!」

珠季が

固まった。

いや‥

完全に上せてしまったらしい。

「大丈夫か‥?」

「‥ん‥んな訳ねーだろッ」

「そんなに気を荒げなくてもいいだろう‥?」

「っせぇッ。オマエなぁ、アタシがどんだけ今ヤバいか分かってんのか!?」

「──ぁ、ぁぁ‥」

「だったらこれ以上ヤバくさせんじゃねぇっ」

「ぁぁ──分かった。それじゃあ、そのワンピースを買って次の場所に行こうか」

「‥買うのかよ」

「勿論」

「‥‥‥‥‥‥‥」

珠季は何も言わなかった。

けれど──

満更でもなさそうだった。

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