《MUMEI》

「‥蘭」

「ぇ、ハイ──何でしょか‥」

「‥気にすんなよな」

「?」

「‥俺は別に手伝ったつもりはねぇし‥」

「ぇ」

「‥分かったな」





鳳君は、

ちょっと強めに言った。





「‥ら食えよ、取りあえず。また1日仕事あんだから」

「──ハ‥ハイ、どもです──」





そうだ、

鳳君も優しいんだよね──。





零さんと香さんみたいに──。





「蘭♪」

「?」

「1口あげる♪」

「ぇ」

「もらって?」

「──ぃ‥今‥?」





ていうか、

食べさせてくれるつもり‥

なんですか‥?

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