《MUMEI》
彩詩の授業(地理
「まずは、そうだなぁ〜地理から始めよう。」
そう言うと、黒板に図形を書き始めた。
「よし、こんなもんかな。」
満足気に頷くと、狩月に向き直る。幾つかの書き込みがある所を見ると地図なのだろう。
「これが、アレト大陸。私達が居る大陸ね。ちなみにリーベルの街はこの辺りね」
そういうと菱形に近い大陸のやや右上、河のらしき線の横を円で囲む。
「で、この辺りの地域をまとめているのが、「自由国家アルヘルト」って言って、来るものは拒まずって感じの国。」
そう言うとリーベルの東端を掠めるくらいの場所に南北に長い円を描く。
「まぁこんな感じの領土かな。でその横に・・」
右横に円を描く。丁度大陸の中央の辺りを円で囲む。
「「リベア連合国」って言って小さな国の集合国が治めてる。で、次に・・」
リーベルの西端を掠めるように大陸の西側を大きめな円が囲む。
「「ネスフェレス皇国」アレト大陸では一番大きな国で、今現在この大陸を治めているって言っても過言じゃないくらいに強い影響力を持ってる。大陸が平和なのは人魔共存を説いてる平和主義な女帝が治めてるから。で次、東側は・・」
リベア連合国の東にネスフェレス皇国と同じくらいの円を描く。
「「神聖コーリア教国」って言う人間族中心の宗教国家がある。この国は、コーリア教以外を認めていない国で・・ネスフェレス皇国とあんまり仲は良くない。間に二つ国があるから大きな戦闘は起きていないけど・・対立してる。」
言い終えると、ロント教国の北に東西に長い円を描く。
「この辺りは・・・何も無い不毛の土地が広がってる。ちょっと前まではシレントリアスの森があったんだケド・・戦争とかで無くなった・・・」
明るく次は南!と言うとロント教国の南側から大陸の東端までを円で囲む。大きさは教国の半分程度。
「「ロングウォルフ戦国」って言う獣人が中心の国があって・・ロント教国と戦争をしてる、もっとも小競り合い程度だけど・・・で最後に、」
まだ円で囲まれていない、「ネスフェレス皇国」と「自由国家アルヘルト」、「リベア連合国」の南側から、大陸の南端までを大きな円で囲む。
「「マナルース共和国」って言う、亜人って総称されるヒトたちが治める国がある。だけど国って言うよりは・・集落の集合体みたいな感じかな。種族ごとにこの範囲内にバラバラに暮らしてるわけだし・・・狩月〜理解できてる?」
「たぶん・・大丈夫です。あれ・・でもリーベルは何処の国に属してるんですか?円に囲まれてないけど・・」
リーベルの小さい円にはどの国の円も重なっていない。その事に気がつき質問する。
「いい所に気がついたね。リーベルはネスフェレス皇国とアルヘルト、リベア、マナルースの四国の共通の領土って事になってるんだよ。つまり不可侵の聖域、ここを攻めるって事は四国全てに宣戦布告したってみなされるからね。」
だからすっごく平和、と誇らしげに付け足すと、アレト大陸の右横にもう一つ、大陸を描く。

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