《MUMEI》 「‥ぁ"ー‥何か疲れた」 珠季は 大袈裟に溜め息をついた。 「つーか、ゲーセン行くのにどんだけ寄り道してんだか‥」 「けど、買い物を済ませるまでに30分はかからなかったよ」 「‥そーデスか、ハイハイ‥」 「少し──休んで行くか?」 「いんや、もうこっからならすぐだし‥」 「何ならおぶるなりしてやるけど──」 「っ、はぁ!? 誰がオマエなんかに‥、って笑うなコラぁっ」 「本当に──面白いな、君は──」 「だァから笑うなっつってんだろ!?」 「君が笑わせるんだから仕方無いじゃないか」 「んなぁッ‥」 わなわなと 肩を震わせる珠季。 「もっぺんさっきの言ってみろ、本気でアタシ‥」 「──ぁ、ここじゃないのかい? 君が言っていたゲームセンターというのは‥」 「‥そーだけど‥」 「?」 「何・でも・ねぇっ」 珠季はそう言うと‥ 自動ドアを抜けて 先に歩いて行ってしまった。 前へ |次へ |
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