《MUMEI》

  
その後に風呂場に置いてきてやった俺の寝巻きをチビは着て、リビングに居た俺の側までやって来た。


「向こうの部屋に行けばいいだろ…」
「…だって、女の子いっぱいで…恐いし」
「俺だって女んトコに行くのは恐いぜ…」
「龍侍〜面倒見てやれよ、お前に懐いてんぜ」

一緒に居た奴にそう言われてチビの方をチラッと見ると、寝巻きの大きさが合わないのか、下のスエットの裾を折ろうと前屈みになっていた。

「…ぉ…お前///」

スエットの首の辺りからあの胸の辺りがチラチラと見えかけていたので、慌ててイスから立ち上がるとスエットの上着の端を腰の辺りで結んでやった。

「一人で寝ろ!」
「…どこ…で」

この狭い施設にあいつの部屋なんかあるワケが無く…結局、俺の部屋までついて来てしかも一緒のベッドで寝ようとしてきた。

「おい…」
「ダメ?…じゃあ床でねる…」

チビはそう言うと分かりやすいぐらい口を尖らせて不機嫌な顔になったので、今日の所はそいつにベッドを譲って俺が床で寝た。


翌日、背中の痛みで起きるとチビが俺の隣でスヤスヤ寝息をたてながら幸せそうに眠っていた。
  

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫