《MUMEI》

そいつらも俺と同じぐらいの体格なもんで、そいつらに囲まれたはるかとかなたなんかはえらく小さく見える。

「ベビーシッターなんかじゃねぇよ、こっちが俺のツレだし…」

そう言ってかなたを抱き寄せると、その口の周りがチョコでベットリ汚れていた。

俺って…本当にベビーシッターかもしんねぇな…。

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浴衣を着て武とはるちゃんと一緒に夏祭りに行くと、武のお友達っていう武と同じくらい大きくて浴衣の似合うマッチョな人達が武の周りに集まってきて何だか楽しそうにお話をしていた。

そこで頭を撫でられてはるちゃんは嫌そうな顔をしていたけど、俺はそんな逞しい武のお友達に可愛がられてまんざらでも無かった。

「武のツレなんだって〜♪」
「俺はかなただよ、で、こっちがはるか、はるちゃんだよ」
「かなちゃんは何歳なの〜?」
「武と同い年だよ♪」

みんなに囲まれて、手なんか握られたりしてちょっとドキドキしちゃう。

「じゃあ俺らと同い年なんだな〜もっと小さいかと思ったぜ」
「綺麗な金髪じゃん、かなちゃんは外国人さんなの?」
「うん、俺たち双子だからはるちゃんもハーフなんだよ♪」

そう言うと、みんなは俺とかはるちゃんの髪を触ったり肩を組んだりしてきて、はるちゃんは嫌そうな顔をしていた。

髪を触られたり肌を撫でられたりはいつもされる事だから気にならない、むしろ俺は触られたり撫でられたりするのが好きっていうのもあるけど。

「学校ドコ行ってんの、コイツが行ってるっていう男子校の隣の女子校かな?」
「うぅん、武と同じ所だよ♪」

そう言った瞬間、武のお友達の雰囲気がちょっと変わって、何かヒソヒソ話をしはじめた。

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