《MUMEI》
バレンタインデー。
今日は”バレンタインデー”だとか言って周りの奴らが浮き足だっていた。

ココは男子校だが隣に女子校があって、先輩達が言うには毎年この時期は大騒ぎになるらしい。

俺の机の中にもロッカーにも何個か入っていたが…。


全部男からのだった…。



「はるちゃん、見て見て〜こんなに貰っちゃった♪」

かなたの奴は両手にいっぱいぬいぐるみやおもちゃを抱え、嬉しそうに俺に見せに来た。

「どうせ男からのばっかりだろ…」
「そんな事無いよ〜ほら、女の子からだよ、見てみて♪」

そう言うとかなたは女の子の名前が入ったカードを掲げ、プレゼントを見せつけてきた。

(コイツに女友達が多いって…何なんだよ…)


放課後、かなたは早速リボンやらスケスケなワンピースやらを用意してあいつの所に行ってしまった。

「はぁ…」

いつもこんな時は気が滅入る。

別にあいつらの関係に嫉妬してるワケでは無いんだけど、何だか分からないぐらい気持ちがモヤモヤしていた。

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