《MUMEI》

惣一郎が椅子を蹴っ飛ばして、出て行こうとした

雅治「まてよ!」

俺は立ち上がり、惣一郎に近づいた

惣一郎「なんだよ!」

雅治「せっかく来たんだ、 慌てて帰る事はない」

俺は友好的に手を差し出した

惣一郎「……穴兄弟だもん な…、まぁ、お前がその つもりなら…」

惣一郎が手を出した、その手を握り、

雅治「俺からのプレゼント だ…」

惣一郎「な、何をする!」
腕を逆手にし、力任せに腕時計をはめさせた

雅治「ROLEXのスペシャル だ…外すなよ…」

惣一郎「!」

雅治「完全防水だ…風呂も 平気だぜ…」

惣一郎「は、外せ!、外せ !」

茜「死にたきゃ、自分で外 せば…」

茜が嫌味顔で言った

雅治「死なない程度になっ てるさ、…」
「さて、話しを続けよう 」

惣一郎「テメェ!この爆弾 外せよ!」

雅「少し、静かになさい… 、本題に戻ります」



これといった、名案も無く 、堂々巡りだった…

守屋「雅治様、ご報告があ るのですが、よろしいで しょうか?」

守屋が資料を持って来た

雅治「報告?なんだ?」

守屋「はい、今回の敵対的 買収と、為替相場に関し てです」

「神無月家、当主として 、かなり好印象を与えた ようです、」

「今後も、変わらず、平 和的友好関係をと、…」

守屋がプリントを皆に配った

和美「あら、敵さんのアラ ブからも来てるのね…」

茜「香港もよ…」

雅治「社交事例か…」
「まぁいい…」
「雅…俺は神無月が、衰 退した理由を、古いしき たりを、重んじ過ぎた為 だと思ってる…」
「…」
「改革も必要かと思うの だが…」

雅「おっしゃる意味は、理 解できますが、急な改革 は、反乱者を出しかねま せん…」

貞治「具体的に、どうなさ るおつもりなんですか? 」

雅治「まぁ…一言で言うと 鎖国かな…」

和美「今ある、イニシアチブを 放棄なさる、おつもりで すか?」

雅治「全てではないが…」 「そうするのが、一番良 い選択肢かと、思ってる 」

「………」

唐突過ぎる意見に、誰も何も言わなかった

雅治「具体的に考えて見て くれないか…」
「…祭りは政治家に…」
「…為替は市場に…」
「…武力行使は、極力避 け、組織をスリムにして 、新しい時代に合った、 ……組織に変わっていけ ればと、思うんだ…」


雅「…周りを説得出来るだ けの物を、打ち出さねば …難しいでしょう…」

雅治「…そうだな…」

龍之介「手立ては、ありま す」

黙っていた、龍之介が、立ち上がり、言った

龍之介「俺が、アメリカ市 場から、撤退して、」
「意思表示をすれば、」 「……大多数が、理解し てもらえると、思います 」

雅「…よろしいのですか? … 」

龍之介「元々、そのつもり で、ここに来ました…」

惣一郎「龍之介…お前、何 を考えてる…」

龍之介「惣一郎……お前と 真逆の事だ…」

惣一郎「……」

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