《MUMEI》

佳代子さんは、

また夜に来るって言ってた。





あたしと日向は、

また2人きり。





「もう一口いけるか?」

「‥‥‥うん」





美味しくなんて全然ない。





けど、

日向に食べさせられると‥

ちょっとはマシに感じる。





点滴は、

絶対やだし。





それに‥

あたしが食べると、

日向が喜ぶから。





ほとんど、

日向の為に食べてるみたいな感じ。





あたしは、

自分で食べようなんてほとんど思わないし‥。「よし──結構食べたな」

「ゼリー食べていい?」

「ぁぁ──」

「日向に半分あげる」

「ぇ」

「やなの?」

「ぃゃ‥やじゃない‥けど──」

「じゃあ半分こねっ」





あたしは、

半分こが好き。





プリンも、

ゼリーも、

アイスも──

何でも日向と半分こするのが好き。





半分こした方が、

美味しい気がするから。





独りで食べても、

あんまり楽しくないし。





「はい、日向」

「ぇ、那加先に──」

「いいから先食べて」

「ハイ‥」

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