《MUMEI》

「‥なぁ、藤澤‥」

「はい‥?」

「お前さ、──‥何で──」

「手紙の事‥ですよね‥?」

「ぁぁ‥読んだ。全部‥。‥嬉しかった。お前の気持ちも‥告白も‥」

「───────」

「でも俺‥まだ返事は出来ない」

「‥すいません、何かいきなり過ぎましたよね、いくら何でも‥」

「ぃゃ、そういう訳じゃなくてさ‥‥‥分かんねーんだ」

「‥?」

「俺‥『恋』だとか『好き』だとかって‥分かんねーんだ」

「ぇ‥」






藤澤が、

キョトンとした。





それから、

シュンとして俯いた。





「──そう、ですか‥」





今まで見た事ない位‥

藤澤はヘコんでた。

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