《MUMEI》

「──ねぇっ、みんなちょっと来て〜♪」





蜜君が裏口から呼ぶ声がして、

私達はそこに集まった。





「‥何だよ蜜、隠れんぼなら独りで──」

「ネコさん♪」

「‥ん」

「──ぁ‥」





あの子猫にそっくり──。





「ねっ、このネコさんあの子のママなんじゃない?」

「──かもな」

「引き合わせた方がいいでしょうか──」

「‥いんや、もうちょっと‥‥‥つーか日下部‥何だよその頭に付けてんのは」

「!!っ、こ‥これはっ‥お嬢様のご命令でして‥」

「‥は?」

「わぁっ、ネコ耳だぁ♪」

「‥何だってネコ耳‥」

「あら、日下部君可愛いカチューシャねっ」

「‥カチューシャって‥」

「ネコ耳だよ♪」

「ネコ耳? あら、日下部君って意外と──」

「ぃ、ぃぇ、ですからこれは──」





戸惑う日下部さんが、

何かほんとに猫みたいで可愛かった。

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