《MUMEI》 「ぇ‥何でもいいじゃない」 「そう──だよな、悪い」 「べ‥別に謝んなくていいから」 まだ、 秘密にしときたいだけ。 隠すような事じゃないのかも知れないけど‥。 「──もうちょっと待って」 「ぇ?」 「もうちょっと待ってくれたら──見せてあげるから」 「ぁぁ──分かった」 日向は頷いて、 「じゃあ──それまで宿題やってるな」 ノートを、 学校カバンから出した。 「えっと──‥まずは数学だな──」 サイドテーブルを机代わりにしてシャーペンを走らせる日向が、 何だかカッコ良く見えた。 前へ |次へ |
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