《MUMEI》
始まりの始まり
物事とは、人知れず進むもの。


それは例えばネットワークセキュリティー。

信用はある。そこに疑いはない。が、実際にセキュリティーが働いている所を、僅かな外敵も退けている所を見たかと聞かれればそれを確認するには実際にネット内にでも入り込まなければ不可能な事だ。


東京の遥か彼方上空を通過しようとする一つの人工衛星の中で既に異変は起き始めていた。

何重にも敷かれた強固なセキュリティーを難なくすり抜け、確実に中心部へと向かう黒い影。
音を出すことを忘れたように動くソレは進入開始から僅か数分の間に世界最高峰のセキュリティーを突破し目的のメインコンピューター内への侵入に成功。

「こんなのが世界最高峰なんて…、ガキのオモチャと変わらないな」

更なる目的を果たす為の行動に移る。

「オレからのプレゼントだ。気づけよ、選ばれし子ども達」



午後5時23分
東京上空を謎の赤い光が通過した。

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