《MUMEI》
「‥なぁ、シズル‥アタシさ──」

「‥？」

「‥甘えてんの‥かもな」

「君が‥？」

「‥よく分かんねーけど、アタシ‥何かオマエに甘えてるっぽい」

「───────」

「‥だから、何つーか‥」

「いいよ」

「‥ぇ、何が」

「僕で良ければ存分に──」

「バッ‥何バカ言ってんだこのバカ！？」

「何も〝バカ〟を２度も言う事は無いだろう？」

「‥っせーや」

「──フ‥」

「そこ笑うとこじゃねぇッ」

「元気がいいな」

「誰のせいだよっ！？」

「──さあね」

「てめぇ‥いい度胸してんじゃねーか」

「ぁぁ。君のお陰で──いくらか度胸が付いたみたいだ」

「んなッ‥」

「恩に着るよ、有り難う」

「～～～～～ッ‥」

暫くは

火照りが収まらない珠季だった──。

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