《MUMEI》

様々な意見が飛び交ったが、
結論には、至らなかった


各々、思う事があるのか、与えられた部屋に戻り、
静かな夜になった



雅「雅治様、よろしいです か?」

雅治「雅か…入れ」

雅「失礼します」
「龍之介が、お話しがあ ると…」


神無月、別棟、朱雀の間

古来より、強い決意を表明するのに使われる場所だ

嘘、偽りを、許されぬ場所……
その場で打ち首にされた者も居るという…

龍之介は、何を思い、俺をそこへ読んだのか…


雅「雅治様を、お連れしま した」
「龍之介……心して、話 すがよい…」

龍之介が、雅に、深く頭を下げた

上座に俺が座ると
龍之介は

龍之介「雅治様、この度は 、ふがいない、我々に、 多大なる、配慮をして頂 き、…感謝が尽きません …」
「……ご無礼の数々…」 「どのような、処罰でも 、あまんじて、お受けす る、所存です…」

龍之介が、土下座をしながら、言った……


雅治「お前は、惣一郎と共 に、神無月から離れるつ もりだったのではないか ?」

龍之介「…はい……」
「当初は…惣一郎が、神 無月を継ぐものと…」
「…違うのであれば…離 縁してと…考えておりま した…」

雅治「なぜ?、考えを変え た?…」

龍之介「はい……」
「自分に…自惚れて、い ました…」

雅治「…話してみろ…」

龍之介「はい…」

龍之介は、頭を上げる事無く、話し始めた

神無月に、敵対買収がかかり、見て見ぬふりをした、だが、狙いは、龍之介達の、アメリカ市場だった

慌てて、防衛行動に出たが、時遅く…為替すら、敵に操られ、…
事無き、無事、収束できたとはいえ、
その筋での信用はがた落ち…

思い知らされたと…

雅治「出過ぎると、敵に廻 る奴らも居る…」
「まして、内部分裂を起 こしてる今…息の根を止 めようと動く輩も出て来 るだろう…」

龍之介「はい…おっしゃる 通りです…」

雅治「いい、勉強になった な…」

龍之介「……」

雅「龍之介、返事をなさい 」

龍之介「…はい…」

雅治「顔を上げろ、龍之介 」

龍之介が、顔を上げた

雅治「俺は、世界に君臨す るつもりはない」
「世界が欲しいなら、離 縁し、好きにやるがよい 」

龍之介「…生きて、この部 屋を出れるとは、思って いません…」

雅治「お前を、殺しても、 俺に何の得もない…」

龍之介「……茜様に…不届 きな事を…」
「…死は、…覚悟してお ります…」
「…ですが…一族の者に は…何とぞ、お慈悲を… 」

龍之介が、頭を下げ、
額が畳みに着く

雅治「…茜を呼んでくれ… 」

雅が席を立った…

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