《MUMEI》 翔太が赤高ハンド部に入部し、 5日程たった。 ハンドボール素人組が端でパス練をしている中、 スポーツ特待生の翔太はレギュラーに混ざり練習をしていた。 … (ボールの大きさにも慣れてきたな… つ〜か、 あの人… ヤマトさんだっけ? めちゃくちゃ上手ぇ…) … 北村大和。 高校2年生。 彼のプレーは、 翔太を魅了した。 お手本のようなプレー。 それでいて力強く優雅だ。 筋力も技術も、 現時点では文句の付けようがなかった。 (それに比べて…) 「はっ!! ほっ!!」 「何してんのクロ?」 「や、 新しいシュートの開発。」 「バカやってね〜でさっさと練習混ざれよ!!」 「ふむ... いつの世も天才は理解されないね。」 「クロ!!」 「怒んなよヤマ。」 (…この人はダメだ。 ちょっと時間空くとすぐ壁打ち始めるし、 集中力がない。 セットプレーになると個性がまるで死んでる。 クロさんか… そんな上手くないのに…) 「クロ!!」 「ギャハハ!! マジクロ最高!!」 「もう…」 (なんでこんな人気者なんだよ…) 前へ |次へ |
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