《MUMEI》

「いい‥? 俺が?」

「だって器用だもん」

「そうでもないけど‥」

「──────‥」

「那加‥?」

「何でもない。日向は宿題やってて」

「ぁぁ‥」





日向はキョトンとしながら、

ノートに向き直る。





と思ったら、

窓の方を見てぼんやりしてる。





「何見てるの?」

「──桜──」

「桜?」

「──綺麗だなって」

「すぐ終わっちゃうじゃない」

「でも、こうやって舞ってる桜も悪くないだろ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





‥そうだけど。





でも何か‥

寂しい。

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