《MUMEI》

「たぶんねぇ、あのネコさんが置いてってくれたんじゃないかな?」

「ぇ──」

「だってこれ、あのネコさんが首輪に付けてたやつだよ?」

「──ぁ、そういえば‥」





あの猫──

首輪してたっけ‥。





「──ハイ、ラン♪」





蜜君が、

私に鈴を手渡してくれた。





「───────」

「もう来ないのかな」

「?」

「あの猫の親子──」

「苺ちゃん‥?」

「来年また来時には──あの猫達‥いなくなってるのかな」

「また会えるよ♪」

「──蜜‥?」

「ねっ、ラン?」

「ぁ‥ハイっ」





また、

会えますよね──。

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