《MUMEI》

──晩ご飯の後、

リビングの明かりを消し忘れてたのを思い出して、

下に降りた。





「‥?」





何か──

話し声が聞こえる。





「──ぁ‥」





みんなだ。





三門一家で団欒‥?





「良かったわよね、母猫が見つかって──」

「ラン、子ネコのお世話頑張ってたもんね♪」

「‥アイツは──まぁそれなりに子育ては出来そうだな」

「子育て?」

「‥ぃゃ、独り言」

「──ぁ、そうだ鳳──この日記──蘭ちゃんに返さなくていいのかい?」

「‥後で返しとく」

「ボクもっかい読みたい♪」

「‥お前何回読んだら気が済むんだよ」

「だって面白いんだもん♪」

「‥おい、こそこそしてねぇで出て来いよ」

「‥!?」





バレてた‥?





「ラン、ほらおいで♪」

「ぁ、ハイ──」

「ごめんなさいね、これ借りちゃって」

「ぃ、いえ──」





世話役になってから書き溜めてきた、

私の日記。





いつの間にか、

三門一家の愛読書になりました──。

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