《MUMEI》

「‥あたしも‥鳥だったら良かったのにな」

「那加‥?」

「そしたら、この窓から飛んでって──色んなとこに行けるでしょ?」

「───────」

「だから──」

「じゃあ俺が、翼になってやる」

「翼‥?」

「俺が那加の翼になってやるから」

「何、それ‥‥‥」





──ばかみたい。





「あたしは──」

「俺、那加の為なら何でもしてやりたいから。那加が──望む事なら、叶えてやりたいから」

「───────」

「ぁ‥‥‥迷惑‥だよな」

「──ありがと」

「ぇ」

「何か──嬉しいかも」

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