《MUMEI》

一見‥

只のメロンパンなんだけど‥。

と思っていたら。

「‥ん」

チョコペン‥?

それで何をする気だ‥‥‥?

「‥っし」

珠季は

メロンパンに何かを書くと

「ほら」

それを僕に見せた。


「どーだ?」

「───────」

僕は

ポカンとした。

メロンパンに

顔が書かれている。

何だろう‥

ピカソのようなタッチだ。

「‥何だよ」

「フ‥」

「──もうちょっと派手に笑えよな‥」

「ははっ」

「な‥何だよ急に‥」

いきなり僕が笑い出したから

珠季が驚いている。

けれど

彼女も笑い出した。

「──何だよ、笑えんじゃねーか」

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