《MUMEI》

「服部先輩に会いに来たんだ?」

「‥関係ねーだろ」





‥あんたには関係ない。





「──ねぇ、どうしたの? 会いに来たんでしょ? 服部先輩なら体育館に──」

「‥分かってるよ」





‥けど‥。





けど‥

体が動かねーんだ。





気持ちは、

行かなきゃって思ってんのに。





なのに‥

体が動いてくれねぇ。




‥恐いんだ。





あたし‥

恐いんだ。





「くそッ‥」





これじゃ‥

前と同じだ。





あたしは‥

恐いからって逃げて‥

結局は後悔して。





いつだって、

それの繰り返し‥。

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