《MUMEI》

「───────」

「日向」

「?」

「‥‥‥はい」

「ぇ」





差し出された物を見て、

日向は目を円くした。





「これ──那加が折ったのか?」

「──うん」

「───────」





日向は、

折り紙の小物入れを受け取って、

マジマジと見つめた。





「凄いな──」

「それ、何だか分かる‥?」

「えっと──‥写真立て‥?」

「小物入れなんデスけど‥」

「ぇ、小物入れ‥?」

「こうやって、ここを広げて箱型にして使うの」

「──なるほど──」

「‥使って‥くれる‥?」

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