《MUMEI》

「久しぶりに会ってこんな事頼むのなんだけどさ…」

「なに?アタシにできる事なら何でもするよ?」




アタシは可愛いく見える様に上目使いで、ちょっと首を傾げてじっと裕斗の目を見つめる。



「…うん」

アルコールで赤いのか何なのか裕斗は頬と耳を赤らめて私を真っすぐに見つめて

ああ…


綺麗な眼…


本当に綺麗な顔してる。

ちょっと羨ましい…。


すっと瞼を閉じると、ふんわりとアタシの胸に裕斗が触れてきた。

「恥ずかしいよ…」

やっぱりどの男も始めはドキドキする。

でもキスの前に胸に触れるなんて


ちょっと大胆…。


「イヤ?」

「……」

顔だけを左右に振る。

「よかった…」


でも、純情?




グニュリ!!




「!!!」

わ!鷲掴みかよッッッッ!!


グイッ!グイッ!


「い、痛いッ!」

思わず眼を開けると

「なっ!裕斗ッッ!」

「う〜ん、俺の方が柔らかいな〜」

「ッッッ!!」



裕斗は…アタシの…胸を鷲掴みしながら……



股間を触っていた…。








「ケツ触らして」

「ヤダ!クソヤロ〜がッッ!!」

「ねー俺の玉触ってみてよ!そのでっかい肉より柔らかいから!」

「で…でっかい肉!!……、触るか馬鹿……」

裕斗は部屋アタシの部屋をうろつき、


「あ〜!すっげ!でっかいブラジャー発見!」

「ちょっと!」

裕斗はピンに下げてあったブラジャーを外し自分に身につけだした。

「似合う?」

マジで嬉しげにアタシに見せてくる。


「……はあ…、似合う似合う…」



もうどうでもいいや……。






「アタシって魅力ないのかな〜…」

「なんで?」

アタシが冷凍庫から出した烏龍茶を飲みながら裕斗は不思議そうに聞いてきた。

「だって裕斗アタシに何もしない…」


グイッと私も烏龍茶を飲む。


「あ〜、俺?アハハッ!俺ゲイだから女興味ないの!だから気にすんなって!」

裕斗はアタシの背中をバシバシ叩きながら


「まー俺にとっちゃ女は漬け物石にもならねーからさ!
あ、もう大丈夫そうだな?俺帰るから〜」



裕斗はアタシのマンションを出て行った…。






ゲイかよ…
クソ…


ゲイだって分かってたら無駄にアピんなかったってばこのヤロウ!

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫