《MUMEI》

「──これ作ってたから、挙動不審だったんだな──」

「‥怒ってる‥?」

「何でだ?」

「何となく‥‥‥、?」

「ありがとな、那加」

「ぁ‥頭撫でないでよ‥」





くすぐったいから‥。





「──ねぇ、ひなた」

「ん‥?」

「──何でもない」

「ぇ?」

「独り言だから」

「ぁぁ──」





不思議そうにしたけど、

日向はそれ以上は訊いてこなかった。





ただ、

あたしの頭を撫でながら──

優しい笑顔を浮かべてた。





でも、

日向は知らない。





あたしがもうひとつ、

秘密を持ってるって事──。

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