《MUMEI》
双子の神秘?
「あ、祐也。明けましておめでとう」

「…大丈夫か? お前」


挨拶を返す前に心配をしてしまうほど、厳の様子はおかしかった。


顔は赤く、熱があるように見える。


「俺は大丈夫だけど大丈夫じゃなくて困ってる」

「意味がわからないんだけど」


(どう見ても、大丈夫に見えないし)


「双子の神秘ってやつよね」

「俺と希は無いけどな」

「二卵性と一卵性の違いかしら?」

「希が祐にシンクロしたら嫌だな」


(えーと、つまり)


志貴・祐・希先輩・柊の意見をまとめると…


「厳じゃなくて、頼が具合悪いのか?」

「いや、絶好調」

「…?」

「俺等、強い感情シンクロするんだけど…

頼、今…

超テンション高くて



発情期、みたい」

「それって…」

「見つけたんだろうな。たった一人の運命の女の子を」


(うまくいったんだな)


その女の子は、きっとエイミーだと、俺は確信した。


[あ〜、でも、ドキドキ強すぎ! 下半身反応しそう! 俺変態になっちゃうじゃん!]

[大変だな]


英語で叫ぶ厳に同情して、俺も英語で慰めた。

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