《MUMEI》

「?」

「これ、2人から蘭ちゃんにって」

「私に‥?」





何だろ──。





「──懐中時計よ」

「懐中‥時計‥?」

「柏木さんも持ってるわ」

「ぇ──」

「本当は2人から直接が良かったと思うんだけど──2人共はにかんじゃって」

「ぁ‥あの、それで、これって──」

「それはね、三門家の世話役の証みたいな物なの。でも、本当に認められた執事やメイドしか持てないのよ?」

「──ぇ、じゃあ‥私──」

「ええ」





ニッコリ笑う香さん。





「──おめでとう、蘭ちゃん」

「零さん‥?」

「2人の事──これからも宜しく頼むよ」

「ハ‥‥‥ハイっ、了解デス☆」

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