《MUMEI》

俺は警官に体当たりした

リムジンのドアを塞ぐ様に体で覆って、茜を見た

…よかった、無事だ

警官「退け!」

タンタン……!

背後から35口径を浴びた…
カチ、カチ、

警官「弾が……」

龍之介と、俺で…弾切れか…

茜「ま、雅治……雅治!」
雅治「…大…好き…だよ… …あか…ね……」

茜に、微笑みかけながら……
俺は……言った……

ヘリコプターがローターをビルにぶつけながら、着地した

鹿島元公安部長
「特別国家公安部だ!」
「警官隊も、銃を下ろせ !」

M16を持った、特務部隊がヘリから降りて来た

鹿島「動く奴は射殺してか まわん!」

雅「雅治様達を!」

…警察、内部まで、敵は…侵食していたんだ……

茜「ま、雅治、ねぇ!雅治 !返事してよ!雅治!! 」

雅「ま、雅治様!」

雅治は…立ったまま、生き絶えていた……

茜を……優しく、見つめながら……

茜「…………いや…嫌」
「イヤーーーー!!」

発狂するような、茜の悲鳴だった………





鹿島「死体解剖の結果です…
心臓を、前から撃ち抜かれてます…」

雅「前から?」

鹿島「はい…初弾で、即死の状態でしょう…」

雅「そんなバカな…」

鹿島「医師の話しでは、心臓が破裂しても、」
「…ごくまれに、少しは動ける、強い意志をもった人も、居るようですが…」

「…何秒かの…話しです…」

雅「雅治様は、茜の元まで走り、会話を……」

鹿島「……」

雅「……」

鹿島「茜様は?…」

雅「……まだ…記憶すら…戻りません……」

鹿島「…そうですか…」

雅「…遺体を、受けとって帰ります…」


鹿島「雅様…」



雅「…神無月は……悪魔になるかもしれません…」

振り返り、鹿島を見た雅の目は…

氷より冷たい…ブルーの瞳だった…





壊れた家族


END

続、壊れた家族は
『血の絆』
で執筆します

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